「4週4日の法定休日」

月単位運用の会社ほどハマりやすい落とし穴


人事労務の相談を受けていると、
「法定休日は守っているはずなのに、是正を受けた」
「休日出勤の割増計算が合わない」
といったケースにたびたび出会います。

詳しく話を聞いていくと、多くの場合、
制度そのものを知らなかったわけではありません。

問題になっているのは、
「4週4日」という法定休日のルールを、月単位の感覚で運用してしまっていることです。


法定休日の原則と例外を最小限で整理する

法定休日の基本ルールは、労働基準法35条に定められています。

原則:毎週1日の法定休日

原則として、労働者には毎週少なくとも1日の法定休日を与える必要があります。

例外:4週4日の法定休日

業務の性質上、毎週1日の休日確保が難しい場合に限り、
連続する4週間の中で4日の法定休日を確保するという例外的な運用が認められています。

この例外は、
「忙しいから」「シフト制だから」
という理由で自動的に使えるものではありません。

あらかじめ休日の与え方を設計し、継続的に管理していることが前提
となります。


一番多い落とし穴は「4週で見る」という視点が抜け落ちること

実務上、最も多い誤りはここです。

多くの会社の運用前提

  • 勤怠集計期間:1か月
  • 給与計算期間:1か月
  • 管理職の感覚:「今月、休みは足りているか」

一方で、法定休日(4週4日)の判断単位は、

  • 連続する4週間
  • 月初・月末は関係ない
  • 給与締め日とも一致しない

つまり、
時間の単位そのものがズレているのです。

このズレを意識しないまま運用すると、
「月単位では問題なさそうに見えるのに、法定休日違反になる」
という事態が起こります。


なぜ月単位運用だとミスが生まれやすいのか

1か月の中に複数の「4週」が入り込む

ある日を起点に「連続する4週間」を切り出して考えると、
1つの月の中に複数の4週区間がまたがることになります。

その結果、

  • 月全体では休みが足りているように見える
  • しかし、特定の4週区間を切り出すと
    法定休日が4日確保できていない

という状態が普通に起こります。

人の目で完全把握するのがほぼ不可能

月単位であれば、
「今月は何日休んだか」を感覚的に把握できます。

しかし、
連続する4週間を常に意識して管理する
というのは、人力では非常に難しい作業です。

システムの前提も合っていない

多くの勤怠システムは、

  • 月集計を前提としている
  • 4週4日の法定休日を自動チェックできない

という設計になっています。

結果として、
「知らないうちに法定休日違反」
が発生しやすくなります。


「法定休日が特定されていない」問題が追い打ちをかける

4週という時間軸のズレに、さらに重なるのがこの問題です。

  • シフト上は休みがある
  • しかし「この日が法定休日」と特定していない
  • 実態としては、すべて所定休日扱い

この状態では、

  • 休日出勤時の割増率が判断できない
  • 25%か35%かが曖昧になる
  • 後から未払い残業として問題化する

といったリスクが高まります。

「休みがある」ことと
「法定休日がある」ことは別

という点は、実務上とても重要です。


シフト制・変形労働時間制との組み合わせが危険な理由

「シフト制だから大丈夫」
「変形労働時間制を入れているから安心」

そう考えられがちですが、必ずしも安全とは言えません。

制度が重なるほど、

  • 判断基準が複数存在する
  • 管理職が全体を説明できなくなる
  • 現場判断が属人化する

という状況が生まれやすくなります。

4週4日の法定休日は、
制度を重ねるほど管理難易度が跳ね上がるルールです。


実務で最低限押さえるべき整理ポイント

以下の点は、最低限整理しておく必要があります。

  • 4週4日を使うかどうかを明確に決めているか
  • 法定休日をあらかじめ特定しているか
  • 月単位と4週単位の違いを認識しているか
  • 管理職が同じ基準で判断できるか
  • 人に依存せず説明できる状態になっているか

一つでも曖昧なままなら、
「たまたま問題が起きていないだけ」
の可能性があります。


まとめ|4週4日は「柔軟」だが「雑」に扱ってはいけない

4週4日の法定休日は、
現場の実情に合わせるための救済的なルールです。

一方で、

  • 月単位運用の会社とは相性が悪く
  • 管理を誤ると一気にリスクが顕在化する

という特徴もあります。

法定休日は、
「何日休ませたか」ではなく、
「どの4週間で、どう確保できているか」
で判断されます。


無料相談のご案内

シフト制や変形労働時間制を採用していて、
法定休日の扱いに少しでも不安がある場合は、
現在の運用を一度整理することをおすすめします。

HR designでは、
法定休日・休日割増の運用チェックを行っています。
実務に即した形で、一緒に整理してみませんか。

労務管理でのお悩み、初回無料で専門家にご相談いただけます

無料相談でできること 無料相談でできることは、原則的には人事労務に関する事項です。 具体例は以下のとおりです。 ご利用の流れ 私たちがお約束すること よくある相談内…

投稿者プロフィール

佐怒賀 奨吾

Follow me!